結論:出入国在留管理庁は2026年7月3日、在留手続の手数料を引き上げる政令案を公表しました。適用は2026年10月1日以降に受け付ける申請分から。在留期間の更新・在留資格の変更は現行の一律6,000円から在留期間に応じた段階制(案では最大7万5,000円)へ、永住許可は1万円から20万円(案)へと変わる見込みです。ただし意見公募(2026年8月2日締切)は終了したものの、本記事公開時点で公布内容は未確認です(要確認)。確定した制度ではありません。企業側でいますぐできるのは、秋以降に更新期限を迎える社員の棚卸しです。

何が、いくら上がる予定か

2026年7月3日、出入国在留管理庁は在留手続の手数料を引き上げる政令案を公表し、パブリックコメント(意見公募手続)を開始しました。募集の締切は2026年8月2日です。公表されている主な内容は次のとおりです。

手続き現行改定案(予定)
在留期間の更新
在留資格の変更
一律 6,000円在留期間に応じた段階制
3か月以下:1万円/1年:3万3,000円/3年以上5年未満:6万4,000円/5年以上:7万5,000円
永住許可1万円20万円

ポイントは2つあります。ひとつは、更新・変更が在留期間に応じた段階制になること。長い在留期間が許可されるほど手数料も高くなる設計です。もうひとつは、永住許可の金額が大きく変わることで、こちらは社員個人の負担に直結します。

なお、金額の枠組みそのものは2026年5月29日に成立した改正入管法で定められており、法定の上限は在留期間の更新・在留資格の変更が10万円、永住許可が30万円とされています。今回の政令案の金額は、その上限の範囲内で設定されたものです。

※上の表の区分・金額は、2026年7月時点で公表されている政令にもとづくものです。区分の刻み方を含め、最終的な内容は出入国在留管理庁が公布するものをご確認ください。

適用の分かれ目は「申請を受け付けた日」

実務でいちばん効いてくるのが、この基準です。政令案では、新しい手数料は2026年10月1日以降に受け付けられる申請に適用されるとされています。許可が下りた日でも、期限が来る日でもなく、入管が申請を受け付けた日で分かれるという整理です。

政令案どおりに施行された場合、次のようになります。

  • 2026年9月30日までに受け付けられた申請 … 現行の手数料
  • 2026年10月1日以降に受け付けられた申請 … 改定後の手数料

在留期間の更新は、多くの場合在留期間の満了日のおおむね3か月前から申請できます。つまり、2026年内から2027年初にかけて更新期限を迎える社員のうち、9月中に申請できるものがあるかどうか——ここが実務上の判断ポイントになります。手数料を会社が負担する慣行のある企業ほど、事前に段取りを組む意味は大きくなります。

ただし、駆け込みには注意が必要です。書類の準備には時間がかかりますし、9月末に申請が集中すれば窓口の混雑も予想されます。「9月に出せばいい」ではなく、書類が揃う時期から逆算してスケジュールを引いてください。

オンライン申請の減額(案)をどう見るか

政令案では、在留期間が「3か月以下」の申請を除き、オンライン(電子)申請の場合に手数料が減額される方向も示されています。一方、永住許可の申請は窓口対応のみとされ、この減額の対象外とされています。

対象となる社員が数名であれば影響は限定的ですが、十数名以上を継続的に雇用している企業では、積み上がる差は無視できません。オンライン申請の利用には事前の登録手続きが必要なため、該当しそうな企業は、制度が確定するのを待たずに利用体制の確認だけ先に進めておくのが現実的です(利用可否・手続きの詳細は要確認)。

企業がいま確認すべき3つのこと

1. 更新期限の棚卸し

在留カードの有効期限が2026年秋から2027年初に到来する社員をリストアップします。「誰がいつ切れるか」が担当者の頭の中にしかない状態だと、こうした制度変更のたびに確認コストが発生し、見落としも起きます。まずは一覧として可視化することが出発点です。

2. 申請スケジュールの前倒し検討

棚卸ししたリストのうち、9月中に申請できるものがあるかを確認します。前述のとおり書類準備には時間がかかるため、対象が複数名いる場合は誰から着手するか優先順位をつけてください。個別の申請可否・適切な時期の判断は、行政書士など専門家と相談しながら進める必要があります。

3. 社員本人への情報共有

とくに永住申請を予定している社員には影響が大きい変更です。ただし現時点では「案」であることを含め、確定情報にもとづいて、憶測を交えずに伝えることが大切です。金額だけが独り歩きすると、不必要な不安を生みます。

手数料より大きいのは「手戻り」のコスト

ここまで金額の話をしてきましたが、企業にとって見落とされがちなのは、申請が不許可・却下になったときの損失です。手数料そのものに加えて、書類を作り直す工数、再申請までの待ち時間、配属や入社スケジュールの遅れ——これらは請求書に現れないコストです。

手数料が上がれば、この「やり直しの重さ」も相対的に増します。だからこそ、採用の入口で在留資格の要件を満たしているかを見極めておくことの価値が、これまで以上に高まっています。業務内容と在留資格の関連性、学歴・実務経験の要件、日本語能力の証明——採用を決める前に確認できる項目は少なくありません。

dialogの現場から:期限管理は「一覧で見える」ことが9割

私たちが受入企業の方と話していて感じるのは、在留期限の管理でつまずくのは「知識がないから」ではなく、情報が一か所にまとまっていないからだということです。採用時の書類はメールの添付、在留カードのコピーは人事のキャビネット、更新の予定は担当者の記憶——この状態だと、今回のような制度変更のたびに「うちは何人該当するんだっけ」から始めることになります。

逆に、社員ごとの在留資格・期限・次回申請予定が一覧で見える状態にある企業は、こうしたニュースが出た日のうちに影響範囲を把握できます。特別なシステムが必要というより、棚卸しを一度やり切って、更新できる形で置いておくかどうかの差です。

dialogは外国人材の紹介を通じて、採用の入口での在留資格の見極めから、入社後の定着支援までを一気通貫で伴走しています。入管への申請取次や在留資格に関する法的判断は行政書士等の業務であり、dialogは行いません。要件の整理や書類準備の段取り、専門家へのおつなぎまでが私たちの役割です。「自社に該当者が何人いるか整理したい」という段階からご相談いただけます。

無料相談はこちらから、自社の状況整理についてお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

在留手続きの手数料はいつから上がりますか?
出入国在留管理庁が2026年7月3日に公表した政令案では、2026年10月1日以降に受け付けられる申請分から新しい手数料が適用される予定とされています。ただし、この政令案は2026年8月2日を締切とする意見公募手続(パブリックコメント)を経た段階であり、本記事の公開時点で公布内容は確認できていません(要確認)。確定した制度として扱わないでください。適用時期・金額は今後変わる可能性があるため、実際の申請にあたっては出入国在留管理庁が公布する内容をご確認ください。
在留期間の更新手数料はいくらになる予定ですか?
政令案では、現行の一律6,000円から、在留期間に応じた段階制に変わる方向が示されています。公表されている主な区分は、在留期間が3か月以下の場合は1万円、1年の場合は3万3,000円、3年以上5年未満の場合は6万4,000円、5年以上の場合は7万5,000円です。在留資格の変更許可申請も同様の考え方とされています。いずれも政令案の段階であり、最終的な区分と金額は公布内容の確認が必要です。
永住許可の手数料はどう変わりますか?
政令案では、永住許可申請の手数料は現行の1万円から20万円になるとされています。改正入管法で定められた法定上限は永住許可が30万円、在留期間の更新・在留資格の変更が10万円とされており、政令案の金額はその上限の範囲内で設定されています。永住申請を予定している社員がいる場合は、金額が大きく変わる「予定」があることを、確定情報にもとづいて丁寧に共有することをおすすめします。
9月中に申請すれば現行の手数料で手続きできますか?
政令案どおりに施行された場合、適用の基準は「申請を受け付けた日」とされているため、2026年9月30日までに受け付けられた申請は現行の手数料、10月1日以降の申請は改定後の手数料という整理になります。ただし申請には書類の準備期間が必要で、9月末は窓口の混雑も見込まれます。前倒しを検討する場合は、書類が揃う時期から逆算して段取りを組んでください。なお、個別の申請可否・時期の判断は行政書士など専門家と連携して進める必要があります。
オンライン申請だと手数料は安くなりますか?
政令案では、在留期間が「3か月以下」の申請を除き、オンライン(電子)申請の場合に手数料が減額される方向が示されています。一方で永住許可の申請は窓口対応のみとされ、オンラインによる減額の対象外とされています。オンライン申請には利用のための事前手続きが必要なため、対象となる社員数が多い企業ほど、早めに利用体制を整えておく価値があります(要確認)。
dialogは在留資格の申請を代行してもらえますか?
いいえ。出入国在留管理庁への申請取次や、在留資格に関する法的な判断は行政書士等の業務であり、dialogは行いません。dialogが担うのは、採用の入口で在留資格の要件に合う人材かを見極め、必要書類の準備がスムーズに進むよう情報を整理し、提携する行政書士へおつなぎするところまでです。手続きそのものは専門家と連携して進めていただく形になります。
※本記事の手数料に関する情報は、2026年7月3日に公表された政令(意見公募締切2026年8月2日/公布内容は要確認)にもとづくものであり、確定した制度ではありません。金額・区分・施行日は今後変わる可能性があります。実際の申請にあたっては、出入国在留管理庁が公布する最新の内容をご確認ください。また、個別の申請可否・時期・要件の判断は、行政書士など専門家と連携して進めてください(dialogは入管手続きの申請取次・法的判断を行いません)。
無料ダウンロード資料

在留資格 早見表

技人国・特定技能・身分系など、主な在留資格でできる業務と要件を1枚に整理しました。「この仕事はどの在留資格で採用できるか」を社内で確認するときにお使いいただけます。

資料をダウンロード