結論:在留期限の管理を担当者の記憶から外すために、dialogは①候補者・選考・在留資格の手続きを、自社で作った社内システム1か所にまとめる、②入社待ちになった人を毎朝自動で一覧に入れる、③担当者が「進める/不要」を仕分けし、期限が近い順に手を打つ、④申請後の経過は社内チャットへ自動で知らせる——という形で回しています。在留資格の可否などの判断は、システムにもAIにもさせていません。

外国人材を紹介・雇用する現場では、在留期限や手続きの進み具合を「担当者のExcel」と「担当者の記憶」で回しているところが少なくありません。担当者が優秀なほど回ってしまうため問題が見えにくいのですが、これは人の頑張りではなく仕組みの問題です。本稿では、dialogが自社の外国人材紹介の現場で、在留期限の管理を人に頼らない形にするために実際にやっていることを、実務の手順に絞って紹介します。

※2026年10月に内容を更新しました。

本記事は社内の業務の回し方を紹介するものです。在留資格の可否判断や入管などへの申請は行政書士など専門家の領域であり、dialogは申請代行を行いません。

なぜ「属人管理」は危ないのか(失敗パターン)

在留期限や手続きの進み具合が個人のExcelや頭の中にあると、休暇・退職・繁忙期に抜けが起きやすくなります。現場でよく見る失敗パターンと、その裏にあるリスクを整理すると次のようになります。

よくある症状起きているリスク
期限管理表が複数バージョンに分かれ、どれが最新か分からない古い表を見て「まだ先」と誤認し、準備が遅れる
「手続きが要る人」を担当者が思い出して拾っている入社が決まった人の拾い漏れに、誰も気づけない
リマインドが担当者の気づき頼みになっている直前になって慌てる。休暇・退職と重なると抜ける
「対応しなくてよい」と判断した理由が残っていない後から見た人が、漏れなのか判断済みなのか区別できない
対応の履歴が個人のメール・メモに散っている「誰が・いつ・何をしたか」を後から追えない

いずれも、データと手順が「人」に貼りついていることが原因です。裏を返せば、データを1か所に集め、拾うことと知らせることを人から仕組みへ移すだけで、多くは解消に向かいます。

仕組み化の3要素:データの正・検知・通知

属人管理を仕組みに変えるうえで押さえるべきは、次の3要素です。dialogでは、これを自社で作った社内システムの中で次のように実装しています。

要素dialogでのやり方狙い
データの正在留資格・在留期限は候補者の記録に1か所だけ持ち、手続きの案件はそこにひもづける(期限を2か所に書かない)どれが最新かで迷わない/誰でも経緯を追える
検知選考が「入社待ち」になった人を毎朝自動で拾い、手続きの一覧は期限が近い順に並べる人の記憶に頼らず、対応すべき案件が浮かび上がる
通知申請日を入れたら、社内チャットのその企業のチャンネルへ自動で投稿。審査中は節目の日ごとに経過日数を投稿する担当者以外にも状況が伝わり、問い合わせを待たずに動ける

そのうえで、「手続きが要るかどうか」の判断だけは人に残しています。仕組みが拾い、人が決め、決めた理由が残る——この分担にすると、「担当者が覚えているから回る」状態から、「仕組みが対応すべき案件を教えてくれる」状態へ移ります。

なぜ自社で作った社内システムにまとめたのか

dialogは現在、候補者・求人・選考の進み具合といった事業データを、自社で作った社内システムに一本化しています。在留資格の手続きの管理もそこへまとめました。理由は次の3つです。

候補者・選考の記録と同じ場所で見られる

以前は、在留資格の手続きの進み具合を別のツール(別のログイン)で管理していました。そのため、在留期限のような同じ情報を2か所に書く必要がありました。いまは手続きの画面が候補者の記録をそのまま参照するので、在留期限は1か所に書けば済み、二重管理がなくなりました。

「入社待ちになった」ことをシステム自身が知っている

選考の進み具合と在留資格の手続きが同じシステムにあるので、選考が入社待ちに進んだ時点で、手続きの一覧へ自動でつなげられます。担当者が「この人も手続きが要るかも」と思い出す必要がありません。

現場の要望に合わせて、自分たちで直せる

使いながら出てきた要望を、その都度画面や通知に反映しています。たとえば「タスクを優先度で並べ替えたい」という声を受けて優先度の欄を足したり、経過日数の通知を「審査中の間だけ」に絞ったりしてきました。業務に合わせて道具を直せることが、仕組みを使われ続けるものにしています。

dialogの現場での流れ(入社待ちから申請後まで)

実際の流れを、段階ごとに「システムがやること」と「人がやること」に分けると次のとおりです。

段階システムがやること人がやること
1. 入社待ちになる毎朝、入社待ちになった人を「仕分け待ち」に自動で入れる。同じ選考・同じ人から二重には作らない。一度入った案件は、選考が入社済みに進んでも消えないなし
2. 仕分け仕分け待ちの一覧に、現在の在留資格と期限、入社予定日を並べて出す手続きが要る人は「進める」、要らない人は「不要」。不要は理由を1行残す(消えずに残り、後から戻せる)
3. 紹介以外の依頼お名前だけで登録できる入力画面を用意。申請の種類が決まっていなければ仕分け待ちへ入る自社が紹介した方以外の依頼も、手で登録する
4. 進行管理申請の種類ごとのひな形から、タスクと必要書類を自動で並べる。一覧の上部に「自社の作業待ち」「ご本人の返答待ち」「企業の返答待ち」の件数を出すタスクに期限・優先度を付け、終わったものを消し込む
5. 期限を見る一覧は期限が近い順。期限が近づくと色で分かるようにしている。申請前の準備で動きが止まっている案件や、追加で求められた書類の期限にも印がつく上から順に手を打つ
6. 申請後申請日が入ると、社内チャットのその企業のチャンネルへ「申請が完了しました」と投稿。審査中は節目の日ごとに経過日数を投稿し、結果が出たら止まる申請日と結果を入力する

パソコンが閉じていても止まらない

毎朝の自動取り込みと社内チャットへの投稿は、担当者のパソコンではなく、データベースの側で決まった時刻に動かしています。取り込みは、新しく入った件数が0件の日も記録に残し、「動いて0件だった」のか「そもそも動いていない」のかを見分けられるようにしています。投稿先が登録されていない企業の分は「送った」ことにせず、未送信として残します。黙って止まらないことを、仕組みの側で守っています。

AIを使っているところ、使っていないところ

dialogの社内システムでAIを使っているのは、入力の手間を減らすところです。履歴書や面談の記録をもとに、在留資格・在留期限を含む候補者情報の項目をAIが読み取り、下書きとして並べます。

  • 書類と面談の内容が食い違う項目には印が付き、担当者が原文で確かめる
  • 元の記録に書かれていない項目は空欄のまま残り、推測では埋めない
  • 担当者が内容を確認してから保存する

一方で、手続きが要るかどうかの仕分けや、在留資格の可否のような判断はAIにさせていません。仕分けは担当者が行い、可否の判断や申請は行政書士など専門家の領域として切り分けています。

同じ仕組みをつくるときの順番(4ステップ)

使う道具が市販のツールでも自社開発でも、順番は同じです。dialogが実際に通ってきた順に並べると、次の4ステップになります。

ステップやることポイント
1. 期限の置き場所を1つに在留期限を書く場所を1か所に決め、ほかの表やツールはそこを見る形にする2か所に書くと、いずれどちらかが古くなる
2. 入口を決めて自動で拾う「いつ一覧に入れるか」を決める(dialogは入社待ちになった時点)思い出して拾うのをやめる。多めに拾ってよい
3. 判断は人に残し、理由を記録拾った中から、手続きが要らないものを担当者が落とす消さずに理由と残す。漏れと判断済みを区別できる
4. 知らせるのは自動に申請や経過の連絡を自動で流し、動いた記録も残す人のパソコンに頼らない。止まったら気づける形にする

よくある質問

Q. 在留期限の管理は、自社でシステムを作らないとできませんか?
A. いいえ。大事なのは道具よりも、①期限の置き場所を1か所にする、②いつ一覧に入れるかの入口を決めて自動で拾う、③要否の判断は人が行い理由を残す、④知らせるのは自動にする、の4点です。dialogは候補者や選考の記録と同じ場所で在留期限を見たかったため、自社で作った社内システムにまとめました。
Q. 入社待ちになった人を全員一覧に入れると、手続きが要らない人まで混ざりませんか?
A. 混ざります。そのためdialogでは、自動で入ってきた人をいったん「仕分け待ち」に置き、担当者が「進める」か「不要」かを決めています。不要にした人も消さずに理由と一緒に残すので、後から「なぜ対応しなかったか」が分かり、必要なら元に戻せます。
Q. 在留資格の可否判断をAIにさせても大丈夫ですか?
A. 在留資格の可否や法的な判断をAIに任せるのは適切ではありません。dialogの社内システムでAIが担っているのは、履歴書や面談の記録から在留資格・在留期限などの項目を読み取って下書きにするところまでです。食い違う項目には印が付き、記録に無い項目は空欄のまま残り、担当者が原文と照らして確定します。可否の判断や申請は行政書士など専門家の領域です。
Q. 担当者が休んだり替わったりしても回りますか?
A. 回るように作っています。一覧に期限と「いま誰の番か(自社・ご本人・企業)」が出ているので、担当者以外でも上から順に手を打てます。案件ごとのやり取りや、不要にした理由も記録として残るため、経緯を人に聞かなくても追えます。

まとめ

在留期限の管理は、担当者の頑張りではなく仕組みで守るべき領域です。dialogは、期限を1か所に置く・入社待ちになった人を自動で拾う・要否は人が決めて理由を残す・知らせるのは自動にするという形で、自社の外国人材紹介の現場を回しています。どの道具を使うかより先に、この分担を決めることが仕組み化の近道です。

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