結論:地方の旅館・ホテルでも、外国人採用による人手不足の緩和は十分に狙えます。差がつくのは求人票そのものより、応募経路づくり・面接練習・書類添削・入社後の定着伴走を一気通貫で設計できるか。実際に地方の温泉地や熊本のあまくさ温泉ホテル四季咲館で、技人国人材の複数名採用が実現しています。

「都市部ならともかく、地方の旅館・ホテルに外国人は来ないのでは」——採用のご相談で特に多くいただく不安のひとつです。人手不足が深刻な地方の宿泊業ほど、この「地方だから採れない」という前提が採用の一歩目を止めています。

本稿では、地方採用の可否を数字ではなく手順の一次情報——応募経路の作り方・面接練習・書類添削・入社後の定着伴走——で整理します。宿泊業で使える在留資格や職種別の適法ラインの全体像は、宿泊業の外国人採用 完全ガイドにまとめています。あわせてご覧ください。

「地方だから採れない」という思い込みを解く

結論から言えば、地方立地そのものは採用の決定的な壁ではありません。就労を目的とする外国人材、とりわけ技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)の人材は、勤務地の都市規模よりも「どんな仕事か」「キャリアが描けるか」「受け入れ体制があるか」を見て応募先を選ぶ傾向があります。よくある不安と、現場で実際に起きていることを並べると、見え方が変わります。

よくある不安現場で実際に起きていること
「地方には外国人が来ない」就労目的の技人国人材は、勤務地よりも仕事内容・キャリア・受け入れ体制を見て応募先を選ぶ。届く経路さえあれば地方でも母集団はつくれる
「日本語が不安で戦力にならない」N2〜N1クラスの人材も紹介対象。面接練習・書類添削で、言語のハンデによる取りこぼしを減らせる
「採ってもすぐ辞める」入社後90日の設計と定着伴走で、早期離職は下げられる。地方ほど生活面の支援が効く

つまり課題は「地方だから」ではなく、「地方の宿泊業に、就労意欲の高い人材へ届く経路と受け入れの設計があるか」に置き換えられます。ここからは、その設計を4つのステップに分けて具体化します。

地方の旅館・ホテルが人手不足を解消する採用の4ステップ

地方採用でうまくいく企業は、募集を出して「待つ」のではなく、応募から定着までを一本の流れとして設計しています。dialogが宿泊業のご支援で標準的に踏んでいる手順を整理すると、次の4ステップです。

STEPやること現場でのポイント
STEP 1
応募経路をつくる
大手求人媒体に頼るだけでなく、技人国人材が集まる紹介・スカウト経路を用意する地方は「待ち」では母集団が集まりにくい。国内外の技人国層に直接届く経路を持つことが起点になる
STEP 2
面接前の準備を支援
面接練習・志望動機のすり合わせを行い、言語の壁による取りこぼしを減らす日本語に不安がある候補者も、練習を重ねることで実力を発揮しやすくなるケースがある
STEP 3
書類添削で通過率を上げる
在留資格の申請書類・履歴書を添削し、不備による差し戻しを防ぐ技人国は「業務内容と学歴・職歴の関連性」が要。書類段階の設計が採否を大きく左右する
STEP 4
入社後の定着を伴走
生活の立ち上げ・OJT・1on1を設計し、早期離職を防ぐ地方は生活面の不安が出やすい。住居・交通・通院の情報を会社側で用意しておく

ポイントは、この4つが分断されず一気通貫でつながっていることです。応募が集まっても面接で実力を出せなければ通らず、書類に不備があれば在留資格の審査で止まり、入社しても生活が落ち着かなければ定着しません。地方採用では、どこか一箇所が欠けると全体が止まりやすくなります。

dialogの現場から:地方温泉地と熊本・あまくさ温泉ホテル四季咲館の実例

「地方だから採れない」への反証を、私たちが実際に伴走した宿泊業の事例でお示しします。数字を作らず、公表できる範囲の事実のみを記載します。

事例立地・状況採用したポジション取り組み
あまくさ温泉ホテル四季咲館
(熊本・実名)
地方の温泉ホテル技人国のフロント・接客(複数名)多国籍チームで宿泊サービスを運営・強化
地方の温泉・ビジネスホテル
(匿名)
地方立地で母集団が集まりにくい状況技人国(複数名)面接練習・定着支援つきの紹介で、地方でも継続採用の仕組みを構築

熊本のあまくさ温泉ホテル四季咲館では、技人国のフロント・接客人材を複数名採用し、多国籍チームで宿泊サービスを運営しています。人数は非公表のため具体的な数は記載しませんが、地方の温泉地でも多国籍のフロント体制が現に成立しているという事実が要点です。

もう一件、地方の温泉・ビジネスホテル(社名は非公表)では、「地方立地で母集団が集まらない」という典型的な悩みからのスタートでした。日本での就労意欲が高い技人国人材を、面接練習・定着支援つきで継続的に紹介し、単発の充足で終わらせず継続採用の仕組みにまで落とし込めています。

紹介実績としては、ベトナム・中国・韓国・ネパール・ミャンマー・インドネシアなど多国籍にわたり、宿泊・ホテルのフロント職は当社が継続的に支援してきた領域です。共通するのは、求人票の巧拙よりも、面接練習・書類添削・定着伴走という「手順」を最後まで手放さないことでした。

現場の声:「地方だから採れない、ではなく、地方の宿泊業に届く経路と受け入れの設計がなかっただけ、というケースが多いです。手順を最後まで伴走すると、地方でも継続して採れる形になります。」(dialog エージェント部門)

採ったあとに続ける——地方ならではの定着設計

地方採用は「採れた」で終わりにせず、続けられる形にしてこそ人手不足の解消につながります。とくに地方は生活基盤が整いにくく、都市部以上に入社後の伴走が効きます。定着を支える柱を3つに整理します。

定着の柱具体策
生活の立ち上げ支援住居・銀行・役所・通院・交通の情報を会社側でテンプレート化し、初日までに整える。本人任せにしない
入社後90日の設計0〜30日は不安をゼロに、31〜60日は戦力化、61〜90日は定着確認、の3フェーズで運用する
季節波動への配慮宿泊業特有の繁忙期・閑散期の波を前提に、業務量・シフトとキャリアの見通しを共有する

入社後90日の具体的な組み立て方は、外国人社員の1年目離職を防ぐ、入社後90日の設計図で詳しく解説しています。フロント職に絞った採用の進め方は、ホテルフロントに外国人を採用する方法もあわせてご覧ください。

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宿泊・ホテル業 外国人採用ガイド

在留資格の選び方から職種別の適法ライン、地方での採用・定着の進め方までを1冊に。旅館・ホテルの採用ご担当者向けの実務資料です。

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よくある質問

Q. 旅館やホテルは人手不足を外国人採用で解消できますか?
立地に関わらず、応募経路の設計・面接練習・書類添削・入社後の定着伴走を一気通貫で整えることで、人手不足の緩和は現実的に狙えます。地方の温泉地や熊本のあまくさ温泉ホテル四季咲館でも、技人国人材の複数名採用が実現しています。効果を保証するものではなく、受け入れ体制づくりが前提です。
Q. 地方のホテルでも外国人は採用できますか?
採用できます。就労を目的とする技人国人材は、勤務地の都市規模よりも仕事内容・キャリア・受け入れ体制を見て応募先を選ぶ傾向があります。大手媒体で待つだけでなく、技人国層に直接届く紹介・スカウト経路を用意することが、地方採用の起点になります。
Q. 旅館・ホテルのフロントで外国人を正社員として採用できますか?
技術・人文知識・国際業務(技人国)の在留資格で、フロントや接客、通訳・インバウンド対応などの業務が認められる範囲があります。業務内容と学歴・職歴の関連性が審査の要点になるため、職務内容の整理と書類設計が重要です。単純作業のみの配置は認められにくい点に注意が必要です。
Q. 外国人を採用しても地方だとすぐ辞めませんか?
早期離職の多くは本人の能力ではなく受け入れ側の設計に起因します。住居・交通・通院など生活面の立ち上げ支援と、入社後90日のオンボーディング、定期的な1on1を設計することで、離職は下げられます。生活基盤が整いにくい地方ほど、生活面の伴走が効きます。
Q. 外国人採用にかかる費用はどれくらいですか?
dialogの人材紹介は成功報酬型で、採用が決まるまで料金は発生しません。採用後の紹介手数料のほか、在留資格の申請費用や受け入れ準備の費用が実務上かかります。費用の内訳は資料や無料相談でご確認いただけます。

地方の旅館・ホテルの採用について具体的に相談したい方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。宿泊業の外国人採用の全体像は宿泊業の外国人採用 完全ガイドにまとめています。